~茨城弁護団の活動~ 2014年

◆2014.5.28 

 東京地裁での口頭弁論期日

 5月28日東京地方裁判所において行われた口頭弁論期日を傍聴してきました。

 この日は、原告2名の方が意見陳述を行いました。

 最初の陳述者は茨城弁護団から提訴した原告の方で、37歳という若さでご主人を亡くした御遺族(奥様)の方でした。昭和52年に結婚、3人の子を授かり、家族みんなが大好きなご主人でしたが、平成元年4月にB型肝炎による肝細胞癌が発見され、余命半年と宣告されました。癌細胞が肝臓の広範囲に広がり手術不能の状態で、判明から約5ヶ月で亡くなってしまいました。それからの生活は当時9・7・4歳の3人の子どもを抱え、仕事・育児に追われる25年の歳月がどんなものであったか考えてほしい。また、ご主人が亡くなってから20年以上が経過しているための除斥の問題も到底認められないと涙ながらの陳述でした。

 もう一人の方は栃木県在住で、30代でB型肝炎を指摘され、40代で肝硬変、50代で肝細胞癌を発症された方でした。商社マンでバリバリ働いていましたが、体調不良により退職。その後教員になり校長先生となるものの、入退院の繰り返しで、責任をもって校長の職にあたれないと定年まで2年を残し、本年3月に早期退職されました。これまで14回の入退院を繰り返し、仕事をしたいのに二度も退職に追い込まれ、無念で仕方がないという訴えでした。

 最後に東京弁護団の柳沢弁護団長が、「除斥」についての意見陳述を行いました。

 B型肝炎により苦しめられている原告らの訴えはどちらも涙なしには聞けないものでした。まだまだ救済の道が開けない方も多くおります、一人でも多くの方が救済されるように取り組もうと、身の引き締まる思いで帰ってきました。(K)

※写真は、裁判後の集会で報告をする柳澤弁護士。

 

◆2014.5.20

 国会請願行動に行ってきました。

B型肝炎訴訟原告団・弁護団は、日本肝臓病患者団体協議会(日肝協)、薬害肝炎訴訟原告団・弁護団と共同で、1月下旬から請願署名を集めてきました。

 

請願署名の趣旨は、次のとおりです。

1 ウイルス性肝硬変・肝がんに係る医療費の助成制度を創設して下さい。

2 身体障害者福祉法上の肝臓機能障害による身体障害者手帳の認定基準を緩和し、患者の実態に応じた認定制度にして下さい。

 

 

短期間での取り組みだったこともあり、目標の100万筆には及びませんでしたが、全国から集まった43万筆の署名が衆議院第一会館の大会議室に並べられました。茨城県の原告、弁護団が集めた2000筆余も含まれています。

 

集会には8政党から国会議員が参加され、連帯と激励のあいさつを述べられました。その後、分担して200名を超える紹介議員の部屋をまわり、千名から二千名ずつの束になった請願署名を渡して、国会への提出を約束していただきました。

 

患者さん、弁護団のこれまでの取り組みが天王山に差しかかった瞬間に立ち会えることができました。請願の採決に注目です。(D)


◆2014.4.23

 医療費助成を求める署名

B型肝炎訴訟茨城弁護団は4月23日、水戸駅南口ペデストリアンデッキにて、「ウイルス性肝がん・肝硬変の医療費助成を求める署名」の宣伝署名行動を行いました。茨城弁護団から8名が参加し、日立市にお住まいの原告の方も激励に駆けつけてくださいました。長瀨弁護士が弁士をつとめ、約1時間半で合計91筆の署名のご協力をいただきました。ありがとうございました。署名の締め切りが迫っております。ご協力いただけます場合はお早めに弁護団までお送りください。

 


◆2014.3.12 ウイルス性肝硬変、肝がんの医療費助成を求めて
 1月下旬から3団体(日肝協、B型肝炎訴訟原告・弁護団、薬害肝炎訴訟原告・弁護団)が共同してウイルス性肝硬変、肝がんの医療費助成を求める100万人署名に取り組んでいます。5月20日に国会に提出する予定で、その紹介議員になっていただくため、3月12日に衆参全議員への要請行動が取り組まれ、全国から400名以上の原告・弁護団・支援者が参加しました。
 私は、B型肝炎訴訟東京弁護団の舩尾弁護士、薬害肝炎訴訟原告の方4名と一緒に、衆議院第二議員会館の北関東から選出された13名の議員を訪ねましたが、残念ながら議員本人との面会はできず、秘書の対応でした。約半数の秘書の方にはこちらの説明や思いを真摯に聞いていただくことができました。全会一致で採択していただくためにも、このような地道な活動が重要であるとあらためて感じました。
 午後6時半から有楽町の東京国際フォーラムで開かれたオールジャパン肝炎サポート大集会には、全国津々浦々から1000名以上の方が参加されました。なぜ日本でウイルス性肝炎が広まってしまったのか、ウイルス性肝炎になぜ国の支援が必要なのか、そして、現在の支援制度から取り残されている肝硬変・肝がんの治療費助成という課題がはっきりとわかる内容で、大成功だったと思います。都心の最新の会議場で、映像やインターネットが駆使されていた点も斬新でした。準備された原告団・弁護団のみなさま、ありがとうございました。
 この間、都道府県議会、市町村議会で国に対して制度の創設を求める意見書が採択されてきています。それに関わった地方議員や国会議員が超党派で数十名も参加されていることにも、この要求の正当性と広がりを再認識することができました。(D)